2018年01月13日

かゆみ止めのお話

明けましておめでとうございます!
鈴木です!

ぼやぼやしているうちに前回の投稿から2ヵ月も経ってしまいました…。
年末は何かと忙しいので忘れてしまっていました…すいません(´・ω・`)

2018年はより皆さまに有益な情報をお届けできるようにしていきたいと思います!

今年最初のお話は「かゆみ止め」についてです。
私たち獣医師によく使用されるかゆみ止めについて、ご説明したいと思います。

まずは「ステロイド(プレドニゾロン)」です。
ステロイドと聞くだけでいや〜な印象を持たれている方も多くいらっしゃると思います。
ステロイドはホルモンでできていて、健康な体にも存在し、体をストレスから守ってくれています。
ステロイドは体の炎症を抑えることでかゆみ止めとしての力を発揮します。少ない量では炎症を抑え込み、多い量では免疫を抑える働きが強くなります。そのため、免疫系の疾患でもステロイドは活躍します。またステロイドには即効性があるため、使用してから約4時間ほどで効果が出てきます。
しかし、ステロイドには様々な副作用があり、計画的に使用しないと副作用が大きな問題となることがあります。主な副作用には、多飲多尿、多食、肝障害、糖尿病(特に猫さん)、腹囲膨満、脱毛などがあります。

次に「抗ヒスタミン薬」です。
人の花粉症やアレルギーではメインで活躍する薬です。アレグラなんかがそうです。
副作用として眠気があり、それを利用して興奮気味の子に使用したりもします。
効果が安定するまで2〜4週間と時間がかかります。またアトピー性皮膚炎で効果が認められるのは、全体の10%程度とステロイドに比べると、しっかりとかゆみを止めてくれる薬ではありません。

3つ目は「シクロスポリン(アトピカ)」です。
これはリンパ球の働きを抑制し、アレルギーや炎症性の皮膚の病気で効果を発揮します。
かゆみを止める効果はステロイドに匹敵しますが、効果の発現には4週間ほどの時間がかかります。
主な副作用には、胃腸障害(主に嘔吐)や多毛、歯肉の過形成、乳頭腫(いぼ)の多発などがあります。胃腸障害についてはシクロスポリンを冷凍させることで嘔吐の症状を抑えることができるといわれています。

最後は「オクラシチニブ(アポキル)」です。
こちらは2年前に発売されたばかりの新しい薬です。
皮膚の炎症を起こす物質の結合を阻害する薬で「分子標的薬」という種類になります。
かゆみを止める効果は、ステロイドやシクロスポリンと同等であり、ステロイドと同等の即効性を持っています。また、副作用が比較的少ないことでも知られており、10%の割合で膀胱炎や皮膚の感染症を起こすと言われています。

どれも一長一短ですが、病気によってよく効く薬、効きにくい薬があります。それらを把握し、飼い主さまにしっかりとご提案できるよう、日々の勉学に励みたいと思います。
posted by 鈴木 隼人 at 22:08| Comment(0) | 日記